モンテッソーリ教育って?

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イ タリアの ローマで医師として精神病院で働いていたモンテッソーリは、1907年に設立した 貧困層の健常児を対象とした保育施設「子どもの家」において、その教育法を完成させました。以後、モンテッソーリ教育を実施する施設は「子どもの家」と呼 ばれるようになりました。既に100年以上の歴史をもち、世界各地で盛んに実践され、その効果が実証されています。

モンテッソーリ教育は、日本では「幼児教育」として有名ですが、決して「幼児教育」だけではありません。モンテッソーリ教育では、人間として完成するのは24歳頃とされ、それまでの発達段階を4段階に区切っています。

モンテッソーリ教育の目的は、それぞれ発達段階にある子供を援助し、「自立していて、有能で、責任感と他人への思いやりがあり、生涯学び続ける姿勢を持った人間に育てる」ことです。

この目的を達成するため、マリア・モンテッソーリ女史は、子どもを観察し、そこから得た事実に基づいて教育法を構成し、独特の体系を持つ教具を開発しました。その教育法の正しさは、現代の大脳生理学、心理学、教育学などの成果によって証明されています。

■モンテッソーリ教育を受けた著名人

  • Amazon.comの創立者ジェフ・ベゾス(Jeff Bezos)
  • Googleの共同創立者セルゲイ・ブリン(Sergey Brin)とラリー・ペイジ(Larry Page)
  • wikipedia創設者ジミー・ウェールズ(Jimmy Wales)
  • ワシントン・ポスト誌の経営者および、ジャーナリストだったキャサリン・グラハム(Katharine Graham)
  • アンネ・フランク
  • 現代経営学の父、ピーター・ドラッカー(Peter Ferdinand Drucker)
  • イギリス王室成員のウィリアム王子とヘンリー王子
  • アカデミー助演男優賞受賞者、映画俳優、監督、プロデューサー、国連平和大使ジョージ・クルーニー(George Clooney) 他。
 

 

■モンテッソーリ教育の特徴

モンテッソーリ教育では、子ども達が安心して自由に個別活動をします。モンテッソーリは、子どもを観察するうちに、月齢や年齢ごとに子ども達の興味の対象が次々 と移り変わる点に着目しました。脳生理学に基づき、さまざまな能力の獲得には、それぞれ最適な時期があると結論付け、これを「敏感期」と名付けました。

敏感期には、運動の敏感期、感覚の敏感期、秩序の敏感期、話し言葉の敏感期、文字に対する敏感期、数に対する敏感期、文化の敏感期などがあります。この子ども達の「自由」の保証と、「敏感期」を育むことが、モンテッソーリ教育の大きな特徴となっています。つまり、子どもは、集団で同じことをするのではなく、自分で自分の活動を選び、自分のリズムで納得いくまで繰り返し活動するのです。

ま た、モンテッソーリ教育では、子ども達が自発的な活動に好きなだけ取り組むことが尊重されるため、周囲の大人はこの知的好奇心が自発的に 現れるように、発達段階に適した環境を整えることが大切です。そのためには、子どもが自分で自由に教具を選べる環境を作り、やってみたいと思わせる魅力的 な 教具を揃えます。大人は子どもが自ら成長しようとするのを手伝う「援助者」として接することが大切です。

モンテッソーリの教室は、社会的・知的協調心を促すため、3歳の幅を持つ異年齢混合クラスです。このクラスの中で、子供達はお互いから学び合います。年下の子どもは年上の子どもの活動を見て学び、年上の子は年下の子の世話をすることや教えることから学ぶのです。

■モンテッソーリ教育の5分野

マリア・モンテッソーリによって考え出された教具は,子供達のそれぞれの敏感期を元に、5つの分野(日常生活の練習、感覚教育、言語教育、算数教育、文化教育)に体系化されています。

1. 日常生活の練習
「歩 く」「たつ・座る」といった基本的動作から、縫い刺しやお茶を入れるなど日常生活の様々な練習を通し、自分の生活を依存から自立へと成長させ、さらには精神的にも自立する心を育てます。この時の教具の特徴として挙げられる点は、子どもが扱いやすいような子ども用サイズのものであること、子どもが思わず手を出したくなるほど色彩や形が魅力的であるもの、そして清潔であることです。簡単に洗えて常に清潔に保つことができ、子ども自身が汚れに気付くものを教具として使います。また、落とせば割れてしまう陶器やガラス製のものなど、本物であることも重要です。本物の教具を使うことによって、本物の持つ美しさを感じられたり、壊さないように慎重に扱うことに慣れる練習を するのです。

2. 感覚教育
モンテッソーリは、子どもは3歳から6歳の間に、視覚、聴覚、触 覚、臭覚、味覚の五感が著しく発達する特別な時期があることに気付きました。感覚の発達は知 的活動の基礎となるため、モンテッソーリ教育の中でも特に重要視されています。具体的には、大小10個の立方体を大きい方から積み上げていく「ピンクタ ワー」や、大小・高低・太細など視覚を養う「円柱さし」や、粗さ滑らかさなど触覚を養う「触覚板」、聴覚で音の高低さを識別する「音感ベル」などの教具が あります。これらの教具は、1セットずつ備えておくなど制限があることが重要です。自分のやりたい教具を友達が使っている場合に、待つことを覚えたり、社会性やマナーを身に付けたりするのです。また、教具の使い方に誤りがあれば自分で気付くように工夫されている教具であると共に、子どもの成長や文化的発展に つながるような教具であることも大事です。

3. 言語教育
モンテッソーリの言語教育は、言語発達の敏感期に従い、教育内容が系統だっています。日常生活の練習と感覚教育を基礎とし、子どもの興味や傾向に適したゲー ムや、言葉遊びが導入や展開に用いられます。「話す」「書く」「読む」だけではなく、「文法」や「文章構成」も早い時期から学びます。言語教育の教具には、幾何学形が枠とともにセットされていて、枠に沿って線を書くなどの運筆練習をする「メタルインセット」、つるつるした台にザラザラの砂文字で平仮名が 1文字ずつ書かれており、指でなぞる「砂文字板」などがあります。

4. 算数教育
モンテッ ソーリの算数教育は、具体的に感覚で捉えることのできる「数量」から入っていきます。具体物である「数量」と、その数量を言い表すときに使う「数詞」、書き表すときに用いる「数字」の三者関係を重視し、これら三者が一致したときに初めて数量概念を身につけたと判断します。算数教具は、系統的に段階 づけられ、具体から抽象の世界へ、無理なく展開していきます。

5. 文化教育
動植物、地 理、地学、歴史、道徳(宗教)、音楽、体育、美術などが含まれます。生命の神秘への興味や芸術に関する表現力など、多岐にわたった能力を育みま す。モンテッソーリ文化教育の代表的な教具には、「土と水の地球儀、色付き地球儀」「世界地図・日本地図パズル」などがあり、ただ単に国名や首都を覚えた りするのではなく、グローバルな視点で世界に興味や関心をもつといった意味があります。

 

 

■日本におけるモンテッソーリ教育

子どもの自主性、独立心、知的好奇心などを育み、社会に貢献する人物となることを目的とするモンテッソーリ教育は、欧米ではオルタナティブ教育として評価さ れています。一方、日本においては潜在能力を引き出す、知的能力をあげる、小学校のお受験対策といった英才教育や早期教育として注目され、幼児教育だと誤 解されることが多く、マリア・モンテッソーリが、貧困家庭の子供たちへの教育から、発展させてきた教育法であることはあまり知られていません。



 

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